書評

情報革命バブルの崩壊

インターネットの普及や、それらを背景にした様々なビジネスの陰の部分を洗い出し、それらを「バブル」として、米国の金融危機と同様に破綻をむかえつつあるという。そしてネット上では当たり前となった無料サービスの数々は、不当に安いインフラと、成長し…

サマンサタバサ 世界ブランドをつくる

「ブランド」よりも彼の経営哲学が中心。波に乗っているアパレルブランドの社長なのに正直で、考え方が地に足がついており、かつ挑戦的な姿勢を崩していない。サマンサタバサは従業員のほとんどが女性。そこの社長である作者はその彼女から絶大な人気と信頼…

iPhoneショック ケータイビジネスまで変える驚異のアップル流ものづくり

Appleが他の会社と違うのは、数年先の目標を、会社の規模だけでなく作りたいものまで「グランドデザイン」として持っていること。iPhoneも2000年前後に発表されたMacを「デジタルハブ」としたデジタルライフスタイルツールの1 つとして、すでに考えられてい…

スティーブ・ジョブズ 偉大なるクリエイティブ・ディレクターの軌跡

古くは「六色リンゴロゴ」「Lisa」、さらに「NeXT」「PIXER」、そして「IMac」「iPod」「iPhone」など、彼が関わったプロダクトや会社などごとに当時のエピソードなどを数ページずつ、そして本文とほぼ同じページ数を割いて彼の写真と名言で、その足跡を綴っ…

アジアのハッピーな歩き方

「アジアのディープな歩き方」や「インドまで行ってきた!」「ネパールに行ってみた!」の堀田あきお&かよの新作で「G-DIARY」連載マンガ50話と書き下ろし1話、さらにそれぞれの国のコラム(別のライターが書いたもの)をまとめた1冊。全350ページ超の大ボ…

たりないピース

「あいのり」というTV番組で、しばしばメンバーが立ち寄った場所で起こっている問題に直面し、それに対する意見を日記に書いたり、ディスカッションする場面があるが、この本の内容もそれに近い。 場所はインド。特にページを割いているのが、たくさん物乞い…

モテたい理由

前半の「女性ファッション誌から読み解く女性のオタク的なモテ欲求分析(というべきか)」だけでも読んでおく価値あり。「JJ」などの記事を例にとって以下につなげるところは痛快だ。 『女には不思議な習性があって、なぜか、本人の努力以外のファクターが強…

日本を降りる若者たち

様々な理由で日本社会から逃避し、タイ バンコクのカオサンなどに居ついて、何もせず生きる「外こもり」な人たちに迫ったルポ。 外こもりをする人は、「自己責任論」「格差社会」などに端を発する問題に直面し、日本社会からの逃げ場として、物価が安く、(…

ウェブ時代をゆく ─いかに働き、いかに学ぶか

明らかに「けもの道」を歩きこれからの人生を模索している自分にとって、今の立ち位置とすべきこと、さらにすでに足を踏み入れた「30〜45才」のこれからやっていくを確認できた。 特に「けもの道力」を持った将棋の遠山四段の行動例は、たった1ページ分の文…

起業家2.0―次世代ベンチャー9組の物語

第三世代とよばれるITベンチャー9社の起業家にスポットを当てて、彼ら彼女らの生い立ちから、いま何をやっているのかまでを、それぞれ20ページ前後にまとめられている。元は雑誌の連載なので、あまり深く掘り下げてはないが、それぞれの会社はどんな人がきり…

ちょいデキ!

サイボウズ社長の青野さんが書いた仕事術。すごい人のスゴ技ではなく、普通の人がちょっとデキるようになるというのがミソ。「最小の努力で、それなりの成果を得るのが『ちょいデキ』スタイル」だとか。 全体的に、何をするというより、考え方の転換に関する…

価格.COM 賢者の買い物

価格.comの創業から現在に至るまでの10年間を、創業者槇野文昭氏らのインタビューなどによって振り返る内容。全9章だが、約半分が槇野氏が2001年に引退するまでの創業期、もう半分が東証1部上場や不正アクセス事件を含めた拡大期という構成。 槇野氏はもうメ…

レバレッジ人脈術

この本で作者は、会った人への「コントリビューション(貢献)」を真っ先に考えることこそ、人脈構築の基本としている。言い換えると、常に「おもてなし」を意識せよいうべきか。これまで読んだビジネス書では、おもてなしについて、相手の考えや行動を先読…

ご飯を大盛りにするオバチャンの店は必ず繁盛する―絶対に失敗しないビジネス経営哲学

本業ではなくサイドビジネスとして商売に携わる島田紳助流の経営哲学書。内容を要約すると、お客さん、従業員、そして自分それぞれの個人個人を大切にするというビジネスの基本中の基本にたどり着くと思う。仕事でつまづいて方向性を見失ったときに、もう一…

鈴木亜久里の冒険―走れ、F1ビジネス!!

スーパーアグリの誕生から現在(〜2007年8月)までのドキュメンタリー。ビジネス面から人間関係、技術面までバランスよくまとまっており、難解な言葉もできる限りわかりやすく表現されているので、F1に少しでも興味があればきっと満足できる内容だと思う。 …

ケータイ業界52人が語る「戦略」の裏側

ケータイ業界の、特にキャリアや端末メーカーに関するトピックに焦点を絞った2007年9月頃までのトレンドキャッチアップ本。したがって、「モバゲータウン」をはじめとしたコンテンツビジネスにはほとんど触れられていない。 個人的には、今コンテンツビジネ…

頭のいい人が儲からない理由

この本の中で繰り返し述べられているのが、 「ビジネスを進めるには、まず明確な目的を設定すること。 次にそれを達成するための仮説を考えられるだけ挙げること。 それらを徹底的に比較検証し、そこから最も優れた一つを選んで戦略とするべき」 ということ…

汗をかかずにトップを奪え!『ドラゴン桜』流ビジネス突破塾

コミック「ドラゴン桜」の雰囲気そのままに、筆者ならぬ「桜木建二」から20〜30代に向けたビジネス講座。 タイトルからは「楽をして」成功を掴もうというイメージを受けるが、内容はやや違い、「ムダなく」成功を掴むための術と考え方が中心。ここでいうムダ…

ラジオは脳にきく―頭脳を鍛える生活習慣術

ラジオは映像による情報がなく音声しか届かない。そのため脳は、音声から想像力によって情景を視覚化しようとする。これが脳全体を活性化するという。私は脳のメカニズムはよく知らないが、通勤中などに録音したラジオを聞いていて、確かに頭の中で自然とい…

カリスマ・コンサルタントの稼ぐ超思考法 ~仕事と人生に効く「問題解決力」が身につく20の方法~

「スタバでipodを聞いて、ドーナツを食べると、考える力つく!その理由は?」 というキャッチーなことが書かれている帯につられて読んでみたが、なかなか手強かった。 よく「経営者の視点を仕事を考えよう」と聞くが、それに答えるような内容。ビジネスだけ…

何故あの会社はメディアで紹介されるのか?―PR最強集団のTOPが教える55の法則

広告ではなく、ニュースや特集などとしてTVや新聞などメディアにとりあげてもらい、発信したい情報を効果的に広めるためのノウハウ集。筆者がそれを本業とするPR会社の代表なだけに、それぞれを自らが関わったものを含めた事例を交えて紹介しているので、具…

個性を捨てろ!型にはまれ!

頑固オヤジの説教を聞いているような気分になる本。ただし、理屈は通っていて、得るものは多い。 「本当の個性とは、他人と同じことをやっていく中でこそ、明らかになってくるものなのだ。周囲と同じことをやっていく中で、違いを見つけ、そこを伸ばし、自分…

スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学

キャッチーなタイトルながら、物やサービスにつけられる値段の根拠を見抜く力がつきそう。さらに最近、仕事で求められることの多い「経営者視点」を磨く一歩になると思う。スタバではグランデを買え! ―価格と生活の経済学作者: 吉本佳生出版社/メーカー: ダ…

ecute物語―私たちのエキナカプロジェクト

エキュート大宮、品川、そして立川を立ち上げた人たちの回顧録。大宮をよく利用するが、この本を読んだ後に改めて行ってみると、どういったところに思い入れがあったり、苦労や情熱が注がれているかがよくわかり、別の視点からこの場所を楽しめそうだ。 特に…

SEO「検索エンジン最適化」の教科書―Yahoo!・Google対策から、SEM併用・ブログ向けSEOまで

SEOの基本がコンパクトにまとまっている。 技術的なことよりも、なぜこうしなくてはならないかの 説明に重きがおかれているので 実際にコードを書く人より、サイトをプラニングする人向けかも。 そうした人が会社から「SEO勉強してこい」といわれたら まずオ…

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点

ネットトレンドのキーワード20個について、その現状と問題点、論点、筆者が考える展望などを新書サイズにまとめた本。この本から新しい知識を得るよりも、日頃ネットニュースなどから得ている情報の整理やキャッチアップができたという印象。 個人的には、ネ…

勝手サイト 先駆者が明かすケータイビジネスの新機軸

従来、公式コンテンツありきだったケータイサイトにおいて、勝手サイトの可能性を、事例を交えて示した本。ケータイコンテンツの現状を、こうしてまとめた本はまだ少ないので、ずっとPCを通じてネットと触れてきた自分のような人にはオススメできる。 特に中…

佐藤可士和の超整理術

身の回りの物の整理、情報の可視化、視点の導入と転換など、書かれていることは他のビジネス書や自己啓発書とあまり変わらない。そういった本をすでに読んでいる人には期待外れになるかもしれない。 この本の価値は「佐藤可士和」がそれらを実践し、その成果…

プレステ3はなぜ失敗したのか?

タイトルの問いに対し、ソニーという企業体質の面から答えを出している。以前にソニーの凋落を綴った本が流行ったが、その内容と重なる部分も多い。 時々、作者の私見が入ることもあるが、全体として客観的な視点でまとまっていて読みやすい。ただ、ソニーの…

キャラ化するニッポン

人々の考え方・価値観の変化を「キャラ化」という切り口で説明した本。 「まぁ確かに」と一応納得できるところもあるが、「だから何?」という問いに答えられてないかも。流行ものとキャラ化の結びつけは、やや強引な部分があり分析が足りない気もする。キャ…