モテたい理由

前半の「女性ファッション誌から読み解く女性のオタク的なモテ欲求分析(というべきか)」だけでも読んでおく価値あり。「JJ」などの記事を例にとって以下につなげるところは痛快だ。


『女には不思議な習性があって、なぜか、本人の努力以外のファクターが強く作用した美質を備えた同性に、より強い羨望を感じる。たとえば生まれつき美人であるとか、富豪のおうちにうまれついた、とかである。』
『男はふつうに、評価するときには努力で成功した人を努力の分だけ尊ぶ。男の世界で、「逆玉」はもちろん、「ボンボン」も蔑称である。』


世間が反応したメディアや芸能人らが発した情報・メッセージを一歩引いたところから見た個々の分析は感心してしまうほど面白い。


ただ、話がそこからそれていくと途端につまらなくなり、読み終えた後に印象に残ったのは上記の部分、そして男は相変わらず「タッチ」浅倉南と「めぞん一刻」の音無響子が好きなことから導かれた以下の部分だけだった。


『女が男に求めるものが、びっくりするほど変化してきたことを思うと、男のこの純情っぷりには、涙が出てくるほどだ。女の子たちが自分への掛け金をつり上げてきた結果、買い手がつかなくなって焦ったり捨て値で自分を売りかねもしない今、男の子が女の子に求めているものは、ずっと変わっていないのだ。』

モテたい理由 (講談社現代新書)

モテたい理由 (講談社現代新書)