価格.COM 賢者の買い物

価格.comの創業から現在に至るまでの10年間を、創業者槇野文昭氏らのインタビューなどによって振り返る内容。全9章だが、約半分が槇野氏が2001年に引退するまでの創業期、もう半分が東証1部上場や不正アクセス事件を含めた拡大期という構成。


槇野氏はもうメディアにはほとんど出てこないということで、同社の創業時代の話を初めて知ったが、10年も前にスタートしたにもかかわらず、はてなの近藤氏やミクシィの笠原氏など「第3世代」と呼ばれる起業家に近い印象を受けた。初めから趣味ではなくビジネスを意識しつつも無収入でスタートし、常にユーザー目線で工夫を重ねて支持を集めサイトを大きくしていく様は、まさにイマドキのネットベンチャーとそっくり。


さらに、世の中にある情報を集め、ユーザーが発信する情報と組み合わせて価値を生むというのも、それらのビジネスモデルと重なる。ネットベンチャーの元祖がここにあるといっても過言ではない。


2005年に起きた不正アクセス事件についても印象深い。ユーザーやクライアントから復活を熱望され、復旧後にアクセスがすぐ回復したことで、かつて厄介者扱いされたサイトが、それぞれになくてはならないもの成長したことを裏付ける結果となったとか。「自分も会社をこうしたい」と思う方も多いのでは。


価格.comファンのみならず、ネットビジネスに興味ある人にも成功事例の1つとして読む価値がありそう。

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