日本を降りる若者たち

様々な理由で日本社会から逃避し、タイ バンコクのカオサンなどに居ついて、何もせず生きる「外こもり」な人たちに迫ったルポ。


外こもりをする人は、「自己責任論」「格差社会」などに端を発する問題に直面し、日本社会からの逃げ場として、物価が安く、(思想の違いなどから)自分を受け入れてくれるタイを選んだ。カネとビザがあれば、向こうでひきこもっても誰も文句を言わない。


そんなふうにして逃げても、必ず跳ね返ってくるのはわかってる。ただ、少子高齢化が進み、年金が消えていくような国でマジメに働いて、本当に報われるのかという疑問すら今の日本には渦巻いているのだ。


外こもりだけでなく、上流といわれる階層にも子供の将来を考えて日本を離れるような人が増えているという話を聞いたことがある。「日本を降りる人」を批判するのだけでなく、真剣に対策を考えなければならない時期にきているのではないだろうか。

日本を降りる若者たち (講談社現代新書)

日本を降りる若者たち (講談社現代新書)