個性を捨てろ!型にはまれ!

頑固オヤジの説教を聞いているような気分になる本。ただし、理屈は通っていて、得るものは多い。

「本当の個性とは、他人と同じことをやっていく中でこそ、明らかになってくるものなのだ。周囲と同じことをやっていく中で、違いを見つけ、そこを伸ばし、自分のものにすること。それが個性である。」
「個性を極める前に、まずは王道メニューで勝負しよう」

何にしても基本となる「型」をしっかり身につけておこう。それがないと、いくら偉そうなことをいったり、小技を覚えても成果はでないということだろう。

「より多くの素材を探し、組み合わせのバリエーションを変えていけば、アイデアなんて無尽蔵に出てくるはずなのだ。」
「何かを発明することばかりに躍起にならず、既存のアイデアを堂々とパクろう。そして、それをどう応用していくかについて、もっと真剣に取り組もう。」

無から有を生み出せる人なんて普通はいない。そのわかり素材はあらゆるところに転がっている。視点を変えて組み合わせることで、新しいものはいくらでも生み出せる。

「仕事とは「他人の需要に応えるもの」だ。自分を表現するとか、自己実現とか、そんなふわふわしたことを言っているようでは、いつまでたっても仕事にならない。他人の需要に応えられなければ、お金にならないのだ。「はたしてこれでお金がとれるかどうか」で考える、それがプロなのだ。」

これぞまさにプロフェッショナルの考え方。何にしても「自分は、自分は」という人ほど相手を満足させる結果を出せない(反省…)


ただ、著者がよしとするタテ型社会の弊害に触れてないこと、読者の心を動かすより作者のエゴを感じる箇所がいくつか目についたのでマイナス1点。

個性を捨てろ!型にはまれ!

個性を捨てろ!型にはまれ!