アップルの慢心と粋な計らい

iPod touchが9月22日より順次出荷開始され、翌23日午前には多くのユーザーの手元に届き始めた。だが、商品の到着を喜ぶのもつかの間、Windowsユーザーからは不具合報告が相次いでいる。なんと、iPod touchが一切操作を受け付けないという。

おいらも直面したこの問題、おそらく米Appleの慢心によるチェック体制の不備と、現在の日本法人と米国本社との連携のまずさによるものだと思う。

不思議なのは、どうしてこのような問題が起こったか、である。アップルにWindowsマシンが一台でもあれば、すぐに確認できたはずなのだ。
この問題は日本語版のWindows/iTunes環境にのみ起こったことだ(VMWareなどを使って英語版の仮想化環境を用意し問題をクリアした強者もいる)。つまり日本のユーザーに向けて出荷したものなのに、日本語環境でのチェックを行っていなかったということになる。 ネット上のアップルストアでの取引はおそらく日本法人を介さず行われている。(ちなみにWikipediaによると銀座などのリアルアップルストアも米国法人の直営とのこと)。米国法人のチェック不足に加えて、アップルの組織的な問題から発生したと思う。
 アップルジャパンによれば、記事中「iPod touchには出荷段階からロックが掛かっており、これを解除するには一度Macに接続する必要があるという」と記載した部分は、同社の公式見解ではないため、必ずしも対策として正しいとは限らないとしている。  また、ヨドバシAkiba 2階のAppleコーナーで行われていたiPod touchのロック解除は、ヨドバシとしての公式対応ではなく、すでに対応を中止したとのこと。おそらく突発的な善意のサポートの一部だったということだ。  アップルジャパンは、iPod touchWindows環境で動作しないという現象について「不具合であると確認できていない」としており、現在も確認作業を進めている最中だという。そのため、すでに手元にiPod touchを持つユーザーに対して、今後どのようなサポートを行っていくかも決まっていない。Apple Storeでの対応予定、店頭販売のスケジュールへの影響なども不明のままだ。
日本法人は対応しようにも何もできず、ヘタに誰かが責任をとることのないようにするマニュアル通りの回答。米国本社が勝手にやったことだから、こうした対応しかできないのだろう。 ただ、発表直後にアップルストアで予約したユーザーに店頭より先に商品を送るという粋な計らいも忘れちゃいけない。こうした商品に真っ先に飛びつく人は誰より先に手にすることに何より喜びを感じることをわかっているから、優先してこんなに早く届けてくれたはず。 日本のメーカーがこうした行動をとると販売店からクレームがくるから、そうそうできる芸当じゃない。米国法人直結だからこそ起きた問題であり、サービスだったようだ。