世界の下半身経済が儲かる理由―セックス産業から見える世界経済のカラクリ

日本と世界の性風俗(≒セックス産業)を経済学・社会学的に分析してまとめた本。著者はBRICs経済研究所代表という肩書きを持つ方で、著書を見るとそれらの国々のほか「地下経済」と呼ばれる世界にも通じている様子。


B級週刊誌にある風俗記事をもっともらしくするデータを集めて真面目な体裁で書いたような内容だけど、結構興味深い。ソープランドやヘルスなど種類別に全体市場規模から店舗数、一日/年間の客数、コンパニオンの賃金、平均待ち時間など、あまり見られない独自の調査データが載ってたり(またイラストがいかがわしさを抑えていてうまい)。さらに最近出てきた新しい風俗業態には、思わず「(う)へー」と感心してしまった。


さらに海外では、ドイツで売春を合法化しセックス税を徴収してたり(この本を読む限り世界では売春を合法化している国はとても多い)、インドでは HIV感染を防ぐために配られたコンドームが民族衣装であるサリーの製造に使われてしまっているなど、笑っていいのか迷ってしまう話もある。


こういう世界は多くの人が目を背けるけど、「世界最古で決してなくならない産業」として現実をちょっとだけでも知っておくのは悪くないと思う。


ちなみに今年の7月27日から29日まで幕張メッセで“大人のおもちゃ”の展示会として「SEXPO」なる冗談のような本当のイベントがあるそうな。(マジデスカ…?)
アダルト・トレジャー・エキスポ2007