「涼宮ハルヒ」を広めたCGMとYouTube


とあるセミナーで聞いた話が面白かったのでご紹介。


今、「涼宮ハルヒの憂鬱」というアニメが一部で爆発的にヒットしており数日前までAmazonのDVDやBooksランキングで上位を独占していたようだ。アニメへの関心はほとんどない私も名前くらいは聞いていたが、「萌え系アニメの1つがヒットしている」以上に考えることはなかった。が、涼宮ハルヒのヒットには、最近のネットビジネスのキーワードの1つといえるCGMYouTubeが大きく関わっているようだ。


涼宮ハルヒが他のアニメと大きく異なるのが、その細かい作り込みだという。例えば図書館であるキャラが本棚から本を1冊手に取るとき、ほんの一瞬だけ写る手に取った本や、その隣にあった本までに実在する本の表紙が細かく描写されていたりする。また、楽器を演奏する際にも、絵と楽器の音がちゃんと連動しているとか、「わかる人にはわかる」仕掛けが随所に施されているそうだ(そういや「のだめカンタービレ」も楽器の描写の正確さが、実際に楽器を弾いている人に受けたことが、口コミにつながったと聞いたことがある)。


一瞬だけしか写らず、そこに何があったか気づく人は相当限られるため、そこまで細かい描写がされるアニメは、ほとんど前例がない。そんなところにコストをかける意味がないと考えられてきたからだ。しかし涼宮ハルヒは「相当限られた人」に向けた作り込みをしたことが、他との差別化につながった。そしてそれが視聴者・読者の琴線に触れ、ブログやSNSをネタになり広まった。


もともと涼宮ハルヒは地方TV局で放送されたのが始まりで、視聴できる地域に制限があった。それを取っ払ったのがYouTubeだった。しかもブログでネタになった場面がそのままそのブログ上に貼り付けられていて、すぐに見ることができ、これまでにないスピードで涼宮ハルヒがネット上に広まったというわけだ。


ターゲットを絞り込んでも、そこにウケるエッセンスがしっかり込められていれば、ネット上であっという間に広まる。しかもブログだけでなくYouTubeという思わぬ媒体がその広まるスピードを加速させたのだ。


…と、これらの話はあくまでセミナーで聞いた話なので、実際どんなものか早速私も確かめたい。もちろん、まずはYouTubeで。


この件は、みたいもん!:涼宮ハルヒが起こしたYouTubeの憂鬱、ネットマーケティングの大成功例。がさらに詳しい。小鳥さんYouTubeの影響が大きいとしている。


※考えてみりゃYouTubeCGMの1つといえるかも。そうだとするとタイトルがヘンか?